今回は,高校レベルの確率のお話をしましょう!
基本の確率計算
確率の基本は,事象Aが起こる確率\(P(A)\)は
$$ P(A)=\frac{n(A)}{n(U)} $$
ということです。確率を求めたい事象の場合の数を,全事象で割ることで求めることができます。
それでは,早速練習問題をどうぞ
練習問題
さいころを2つ投げて,出た目をそれぞれ\(x,y\)と置きます。この時\(n(A),n(B)\)を以下のように定義します。
\(n(A)\):\(x+y\)が2の倍数
\(n(B)\):\(x+y\)が3の倍数
この時,次の事象の確率を求めましょう
(1) \( n(A)\)
(2) \( n(A\cup \overline{B})\)
(3) \(n(\overline{A\cup B})\)
解き方は同じなので,(1)のみ解説します。前回で,\(n(U)=36,n(A)=18\)であることが分かっているため,
$$ P(A)=\frac{18}{36}=0.5 $$
が答えとなります。
MATLAB
% すべての可能なサイコロの目の組み合わせを生成
x = repmat(1:6, 1, 6);
y = repelem(1:6, 6);
% 事象A: x + y が2の倍数
A = mod(x + y, 2) == 0;
% 事象B: x + y が3の倍数
B = mod(x + y, 3) == 0;
% 事象Aの確率
P_A = sum(A) / length(x);
fprintf('P(A) = %f\n', P_A);
% 事象AまたはBでない事象の確率
not_B = ~B;
A_or_not_B = A | not_B;
P_A_or_not_B = sum(A_or_not_B) / length(x);
fprintf('P(A ∪ ~B) = %f\n', P_A_or_not_B);
% 事象AまたはBでない事象の確率
A_and_B = A & B;
A_or_B = A | B;
not_A_or_B = ~A_or_B;
P_not_A_or_B = sum(not_A_or_B) / length(x);
fprintf('P(~(A ∪ B)) = %f\n', P_not_A_or_B);
期待値
ところで皆さん,今年のおみくじの結果はどうでしたか?
僕は2年連続大吉でした!!
おみくじを引いたとき,大吉,中吉,小吉,吉,末吉,凶,大凶の確率は,以下の表の通りであるとします。
| 大吉 | 0.3 |
| 中吉 | 0.05 |
| 小吉 | 0.05 |
| 吉 | 0.3 |
| 末吉 | 0.2 |
| 凶 | 0.99 |
| 大凶 | 0.01 |
このおみくじを23回引くとき,
(1)大吉が2回出る確率
(2)大吉が2回連続で出る確率
(3)大吉が2回連続で出る期待値
(4)大吉が2回以上出る確率
を求めてみたいですよね?求めてみたいですよね?(圧)
では,もったいぶって,(3)だけ求めましょう!期待値のお話です。
おみくじを23回引く場合、2回連続で大吉が出る可能性のある位置は22箇所あります(1回目と2回目、2回目と3回目、…、22回目と23回目)。したがって、2回連続で大吉が出る期待値は次のように計算されます
$$ 22×P(D,D)=22\times 0.3\times 0.3=1.98 $$
ここで,\(P(D,D)\)は,\(P(\)大吉が2回連続で出る\()\)を表しています。
期待値1.98というのは,23回のくじ引きを1セットとして,このセットを繰り返し沢山行うと,平均で1.98回は1セットの中で2回連続で大吉が出る事象が発生するという意味です。
期待値は,試行の中のすべての事象について,その事象が起こる確率を把握している場合に求めることが可能です。
余談です
ちなみに余談ですが,僕の研究分野では,ある事象が起こる確率自体を把握できないという「不確実性」のある状況に関心を持っています。例えば,さいころが正六面体なら,すべての目が出る確率が6分の1なので,期待値が求まります。しかし,さいころが歪な形をしている場合,目が出る確率すら求められないので,不確実性のある状況だと言えます。世の中にはこのような状況が割と多く見受けられます。一例としては,日本銀行は,よく展望レポートで「不確実性」という言葉を使いますが,やはり現場でも,そう簡単に今後経済がどうなっていくかを予測するのは困難です。そのため,そのような状況でも最適な判断が出来るようになればと願っております。
ででで,(1)(4)は,反復試行というテーマの本題ですが,二項定理を用いて求めることが出来ます。これは,連続関数分布のページでまとめて解説したほうが良さげなので,気になる方はこちらのページに飛んでください!
また,(2)については,良いやり方が分からなくて,皆さんの自力でもぜひ挑戦していただきたいのです。良い解法があれば教えてください。
ただし,確率が求まらないわけではありません。今のところ,モンテカルロシミュレーションで,おおまかな確率を求めることが出来ることが分かっております。これについては,また別記事でまとめます。



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